公開上映会&トークセッション『みゃ~くふつの未来』
INFORMATION
ユネスコが21世紀末には消滅する可能性があると名指した言語が日本国内には8つある。アイヌ語(北海道)、八丈語(東京都)、奄美語(鹿児島県)、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語(沖縄県)である。登壇者はその一つ、「宮古語(宮古のことばでみゃーくふつ)」でのフィールドワークを2012年に開始し、研究の一環として、映像アーティストとの協働でドキュメンタリー映像を2019年5月末に完成させた。この映像は、現状の宮古語の話者が高齢者世代であり、若者が全くわからない状況にあるという現実(前編)と、それでも民話、民謡などの伝統的な文化実践の取り組みの中では部分的に使われている現実(後編)を記録した。
本イベントではドキュメンタリー映像を見た後、宮古語の未来について、ひいては日本国内の様々な地域において現存する多様な言語の今後の持続可能性について参加者とともに議論を行う。
登壇者
国際基督教大学客員准教授、ESD研究所特任研究員
藤田ラウンド 幸世(ふじたらうんど さちよ) 氏
国際基督教大学客員准教授(教育学博士)。立教大学ESD研究所特任研究員。前職は立教大学院異文化コミュニケーション研究科特任准教授。専門は、社会言語学、応用言語学、異文化コミュニケーション。研究テーマは日本のマルティリンガリズムとバイリンガル教育を中心に国際結婚家庭の二言語習得、新宿区の多文化共生、現在は消滅危機言語と位置づけられる宮古語の言語復興で、宮古島でフィールドワーク、アクションリサーチを行っている。最新の論文は、Fujita-Round, S.(2019)‘Bilingualism and bilingual education' in P. Heinrich & Y. Ohara (eds.). Handbook of Japanese Sociolinguistics. Routledge、藤田ラウンド幸世(2019)「宮古島の「現在」をドキュメントする:消滅危機言語の言語復興へのアプローチ」『Rikkyo ESD Journal』Vol. 3/4, 49 - 52. 藤田ラウンド幸世&服部かつゆき(2019)『みゃーくふつの未来:消えゆく声、生まれる声』(ドキュメンタリー映像作品)を制作。